そんなこんなで、時間が経たった。
「今日はこんなところで、おひらきかな」
区切りのいい時に誠が言った。
「どうだった?今日の話は?」
絵美が興津々に聞いてきた。
「だいたいの状況は分かった、ちょっと骨がおれるけど、やりがいはありそうだ」
美智子は無言のままだ。それにしてもこの女は一体なにを考えているのだろうか?もともと無愛想な性格なのだろうか。特定の人間にたいして無愛想で、いると嫌がるタイプ。もしかして手柄を独り占めにしたいのだろうか。ありえん、空気読めと言いたくなってしまう。
いずれにせよ、この手のタイプの人にたいしては余り考える価値はないであろう。協調性を持てとまではいわんが空気まで読めないとは、もしかして僕にも問題がある?
「よし、解散。みんなご苦労さん!」
誠と絵美がまともで、本当によかった。
美智子とだけなんて、やってられん。
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こいつは何を考えているのだろうか
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目的への割り勘
目的の内容の話の途中で経費の話となった。
「材料費が結構掛かるな」
「じゃあ、余分なものの経費は節約しましょ」
「そもそももっと安いものじゃ駄目なの」
たしかに美智子のいうことも、もっともだが僕にはそってないので、同調はしたくない。
「安物買いの銭失いって良く言うから少しばかり経費がかかっても後のことを考えれば結果オーライなんじゃ」
美智子は無表情のままだが、微妙にムッとしているのが分かる。内心ざまあみろと思った。
経費は四人で分担してしはらう。
わりかんの計算がちゃくちゃくと進んでいった。
次は、一円単位の計算だ。
一円玉を机に置くたびに、薄いアルミの乾いた音が軽く響いていく。
割り切れなかったぶんは誠がもってくれる話だが、しかし一円単位とは。
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そもそも四人の関係は
四人は、ふとした関係で知り合った中だ。
誠と絵美は古くからの友人で、去年に美智子と知り合った。
僕は誠と絵美と知り合ったばかりである。
共通の目的があるので、誠と絵美の繋がりで今日、美智子と初対面で会うことになったという訳だ。
目的に関しては一番古くから取り掛かっている誠と絵美が有利で、その次に美智子といったところだろうか。
そういう順番的なものは僕が一番遅いので知っていることも少なくなる。この状況は打開したいものだ。
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そっけない返事
丸い机で四人で話し合い、人の座る配置は四方向となっている。
僕の右に誠、左に美智子、そして向かった対面に絵美である。
美智子が会話の途中でしきりに何度も僕の顔をジロジロと見ていた。
何か意味でもあるのかな?と思い試しに、こちらから他愛もない質問をしてみた。
「そう言えば、美智子ちゃんは水曜日と土曜日が休みだったっけ?」
「はい、そうですけど」
そっけない、感じの言い方で返事をする美智子。
せっかく四人で集まっているんだから、もう少し休日の過ごし方とか平日休みの利点などを話題にしてもいいのになあ。
こっちの顔を見ているということは、この場では何か話題を振ってよの意味ではないかと思うのが普通だ。
しかも、誠や絵美に対しては、にこやかに楽しそうに話を続けるという。
まあ、その辺は誠と絵美が気を使ってくれ、僕に対しての会話を盛り上げようとしてくれたのが、せめてもの救いだ。
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ジュースをだしに会話
そんななか、また新たな新製品に目をつけていた。
メロンが大きく書かれた紙パック、背景には牛乳瓶を思わせる絵が描かれている。
そう、イチゴミルクならずメロンミルクのジュースだ。ミルクをベースにフルーツが混ざっているジュースは多い。
ましてや、今どきメロンミルクはたくさんある。
いつも通りに一言で会話が終了なんてない様に色々と考える、何といっても店員さんは感じのいい人だし。
まずは、メロンに関して調べてみた、果物なのでビタミン群はそれなりに含まれている。
そして、カリウムが豊富なのだ、これの働きはナトリウムの排泄や体内の水分の調整である。
では「おはよう、これ新しいやつだね。知ってる?メロンはカリウムが豊富だから、これを飲むと良い感じで」と言うのはどうだろうか。
なんて雑学ちっくな、まあ悪くはないがコンビニの紙パックのメロンミルクにそんだけのメロン果汁が含まれているのか?という突っ込みどころがある。
また、バランス的にカロリーの方が高いだろという突っ込みもある。
もっとも店員の立場としては、そう突っ込むわけにはいかず「へえ~、物知りなんですね」だろう、そしてそれで会話が終了するだろう。
ただこの際、それでもかまわん。内容を考えすぎて口数が少なくなるよりは、取り敢えずは何らかの会話をかわして口数を多くすることが重要だと考えている。
飲みの都合で初対面の人が集まると、大抵は無難な質問の多くから始まるではないか。
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朝のコンビニ
仕事は夜勤である、朝食を食べてから帰ると家につくのは、朝の7時過ぎだ。
そのあと、妻はレジのパート、子供は学校と当然ながら家には自分ひとりだ。
シャワーを浴びたあとに、すぐに寝ると外での登校時の子供達の声が、よく聞こえるので、10時過ぎるあたりまでは朝刊を読んでゆっくりするのが日課だ。
この朝刊を読む時間での飲み物をコンビニで探すのも楽しみの一つである。
缶コーヒーもよいが、最近は500ミリリットルの紙パックのジュースも捨てがたい。
コンビにはすぐに新製品が出る。だから、いつもの顔なじみの店員さんとの会話も弾む。
「これ、美味しいですか?」
「はい、美味しかったですよ」
…って、これが弾んでいる会話と言えるのだろうか?
そう思いながら、冷蔵庫の棚を眺めているとコーヒー豆、イチゴ、メロン、バナナ等々と如何にも美味しそうなイメージの書かれている紙パック達が列が並んでいる。
その見事な整いかたはイメージのアップにもつながっていく、そして後ろの方ほど製造日が新しい。
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