目的の内容の話の途中で経費の話となった。
「材料費が結構掛かるな」
「じゃあ、余分なものの経費は節約しましょ」
「そもそももっと安いものじゃ駄目なの」
たしかに美智子のいうことも、もっともだが僕にはそってないので、同調はしたくない。
「安物買いの銭失いって良く言うから少しばかり経費がかかっても後のことを考えれば結果オーライなんじゃ」
美智子は無表情のままだが、微妙にムッとしているのが分かる。内心ざまあみろと思った。
経費は四人で分担してしはらう。
わりかんの計算がちゃくちゃくと進んでいった。
次は、一円単位の計算だ。
一円玉を机に置くたびに、薄いアルミの乾いた音が軽く響いていく。
割り切れなかったぶんは誠がもってくれる話だが、しかし一円単位とは。