ギザギザの外枠の見える断面は見れば見るほど歯車に見えてきて、さらに真ん中に渦巻きまで描かれていた日には、まるで催眠術のような錯覚すら感じてしまう。
そう目が回りそうでいると、隣のオバサンは、ひょいと摘まんで発泡スチロールの容器に放り込んでいる。
鳴門(なると)って奴は、おでんと言うよりは拉麺での方がお馴染みではあるが、拉麺のスープの味の濃さ故に鳴門をダシとしての味は楽しみにくいであろう。そう、初めて鳴門を皿に盛った時のツユの味は、舌が感じた味覚とともに脳にしっかりとインプットされている。
鳴門(なると)の渦による催眠術
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レンズに桃色の渦巻きが映し出される
そんなこんなで気づいたら、隣でおでんの鍋を覗くオバサンいる、湯気で薄く曇った紫渕の眼鏡のレンズには大根とコンニャクが映し出されている。
オバサンの頬の角度が三十度ばかり左上へ逸れたと思いきや、さらに曇りがかかりながら同時に桃色の渦巻きが映し出されているではないか。
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海の恵みと山の恵みの両方の受けられる「ごぼう巻」
薩摩揚げの隣には、その薩摩揚げで牛蒡を巻いた言わば「ごぼう巻き」がプカプカと縦やら斜めに浮いていた。
初めて、おでんの「ごぼう巻き」をパッと見は「地味だなあ~」という印象を受けてたが、ところがどっこい、口の中に入れた途端に薩摩揚げの微妙な甘みと牛蒡の優しい苦さの組み合わせによる美味しさが舌の上に広がった。
海の恵みと山の恵みの両方の美味しさが「ごぼう巻」には、詰まっている。
これは美味しいぞと思いながら、思わず辛子をちょっとつけて再び口の中に運ぶとさらに美味しい。
薩摩揚げと同じく、辛子との相性は抜群である。
そう言えば「ごぼう巻き」には、おでんとは違うが牛肉や豚肉をゴボウに巻くのもあったなあ。
そっちの方は、まだ食べたことがないので、機会があったら食べて見たいと思っている。
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具が細かく散らばっている薩摩揚げ(さつま揚げ)
湯気のたっている、おでん達への視点は存在感のある具材へといった、薩摩揚げ(さつま揚げ)である。
原料の魚の、すり身をベースにゴボウやニンジンなどの具が入っているものである。
その断面図は雪の中の化石が散らばっているようにも見える。
ところで天ぷらに例えると「かき揚げ」のようなものである、ところが味そのものは具が多い割には意外と淡白だ。
このような時は良く辛子をつけている、ピリッと辛い辛子のアクセントは、おでんでも欠かせないものとなる。
よくよく考えてみれば薩摩揚げほど辛子の似合う、おでんは少ないのかもしれない。
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「つみれ」と「つくね」
先ほどコンニャクを岩石に例えたが、そのコンニャクを越えるぐらいの岩石っぽいのが見えた。
そう「つみれ」である。
形からして思いっきり石っころである。口に入れてみた一瞬の感触もチョット石っぽい舌触りも感じなくはない。
そういえば「つみれ」と「つくね」というのも名前が良く似ている、「つみれ」は魚で「つくね」は鶏や豚である、こう考えりと、おでんの具材のは結構なかんじで海の幸が含まれているのだなあと、しみじみ思った。
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「がんもどき」を略すと機体名の様に渋い
「ガンモ」ってのも何というか、名前がゴツい。
ロボット戦隊物の機体名で出てきそうな名前だ、味もなかなか渋い。
食べて見るとスポンジに似ているところがある、少し固めで、噛むとツユの旨味が漏れてくる。
ただひとり旨味が漏れるのも最初の一噛みだけだ、あとは大豆の味が主となって舌に散らばっていく。
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魚から出来ているとは思えない味の焼き竹輪
「ちくわぶ」の隣の似た者同士と言わんばかりにプカプカとツユに浮かんでいるのが、焼き竹輪である。
筒状な形状的な外見や淡白な味は似ているが、原料としては全くの別ものだというのは「ちくわぶ」が視界のに
飛び込んで来たときに考え済みである。
味は「アナタは本当に魚で出来ているのですか?」と思わず呟きたくなるほど魚っぽくない。
皮のふやけ方といい厚さ固さといい、皮についてはパンの耳を思い出させてくれる。
おっと、だからといってストローにして、おでんのツユを吸うのは禁物だ、火傷しちまうぜ。
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竹輪と似て非なる「ちくわぶ」
「ちくわぶ」それは竹輪だと思われ勝ちだが、中身は全くの別ものだ。
大差は無いという思い込みも真実を知ってしまったら、世界観がガラリと変わるほどだ。
ずばりと言ってしまうと、竹輪は魚から出来ていて、「ちくわぶ」は小麦粉から出来ていているのだ!
原料が魚と小麦粉…こんなに天地の差ほど離れているのに竹輪にそっくなのである。
小麦粉を練って食べる時は熱いツユにって、まるで「うどん」のようであるのだが、うどんにしては太過ぎるよな~。
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真っ白な半片(はんぺん)
コンニャクの外観を岩石とすると、半片(はんぺん)は何であろう?
白く四角い、または三角なだけの物体に見受けられる、まるで石鹸や紙粘土とそっくりである。
これもコンニャクとはまた違った無機質っぷりである。
外観的な色合いもだか大きさも他の具材と比べてもインパクトがある。
色がこの上なく淡白で、おまけに味まで淡白である。
だが何度も何度も良く噛みながら舌の上で堪能すると半片特有の旨味がじわりじわりと出てくる。
また淡白なだけ色んな味付けを考えたりも出来るであろう。
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噛むほど海藻の旨味が口内に広がる「昆布」
「昆布」 単純に、おでんの具材としても素晴らしいが、 何といっても煮汁の「だし」がとれるという点 でも大活躍しているのが「昆布」である。
昆布は、おにぎりの具材としてもお馴染みだが、おでんの場合は例によって大きめのものに、かぶり付くことが出来る。
噛めば噛むほど海藻の旨味が口内に広がる。
母なる海の恵みとも言えるミネラルが豊富なのも嬉しくなる点である。
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