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リーマンのスピード、ハヤブサの如き

さあ出発である、今日はぷにぷに通りの大自然・・・という程ではないが、都会のなかの自然を味あうぞー。

「ぷにぷに通りは、たまに来るのですけど、皆でわいわいがやがやするも良さげだと思ってるんですよ」
「あら、月乃さん詳しそうですねー、なんでしたらガイドしてみますか?」
「えっ、わたしがですか。うわー、一回やってみたかったんですよー」
「皆さーん、というわけで今回は月乃さんが案内役となりまーす」
「うーん、でもちょっと緊張するー。わたしが、きょどりはじめたら百合さん助けてねー」
「大丈夫ですよ、わたしも出来るだけサポートしますから」
というわけで、今回はチビ女が先頭になった、となりにはタブレットをもった黒づくめがいる。
サポート役にまわるためかチビ女の真後ろには百合さんが、とその時!リーマンがハヤブサの如きのスピードで黒づくめの真後ろに張り付いた。
否、百合さん隣。
やられた、とにかくやられた!としか言葉が思い浮かばない。よく考えればチビ女が百合さんの代わりに案内役をする時点で百合さんの隣になるチャンスがあったはずだ。
リーマンはそれをいち早く察知し獲物を狩りとるハヤブサと化したのだろう。気づくのが一歩遅かった、その一歩の差が百合さんの隣になれるかの差だった。大きい、余りにも大きいこの一歩の差。俺は相変わらずスーツを着ているリーマンの背中をぼーっと眺めていた。
「早いもの勝ちだよ~ん」と背中が語っている。
何てことだと落胆していたら、その様子を不思議そうな顔でギャルが話かけてきた。
「ん、どうかしたの?」
「えっ、いやその今日は月乃さんが案内してくれるんだなーと思って」
「そうねー、月乃ちゃんはよくこの通りに遊びにくるみたいだから、しっかり案内してくれそうじゃない」
「うん、それもそうだね」
ふうー、何とか冷静なふりを出来た。まさかリーマンが百合さんの隣にマッハな速度で張り付いたので地団太踏みたかったですなんて言えないし。

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何とか靴の会話でつなぎとめる

チョットだけ他の皆さんがたと話が出来たが、基本的にはリーマンが隣なので、沈黙が多くなってしまうというブルー。
そもそも会議やら商談やらでトークは日々鍛えあげられているのではないのだろうか。
それとも、普段は仕事で口を動かしっぱなしなので、休日ぐらいは黙ってウォーキングやその景色を楽しみたいとかだろうか。
いずれにせよ、こちら側だけ沈黙がつづくは、その上だんだんと砂利道が平面のコンクリート道に近くなって余計に誤魔化しが利かなくなってきた。

ジャッジャっという無機質なメロディーの音量がだんだん小さくなっていくにあたって、つまらなさも増してくる。あまりにも退屈なので、また話を掛けてみた。
「結構、歩きますねー。革靴とかでは歩きづらかったりしません?」
「ああ、これパッと見た感じはビジネス用の革靴なんですが、ウォーキングシューズなんです」
「えっ、そうなんですか。なにか素材が違うとかですか?」
「素材は革というよりはスポーツシューズのような繊維ですかね。通気性も良いですす、靴先は幅が広く出来てます、それに靴底には長距離歩行用のクッションも入っているので、けっこう快適ですよ」
「うわー、高機能ですね。高かったんじゃないですか?」
「いえいえ、スーパーで五千円ぐらいで買ったものです」
「スーパー?この辺に靴の品揃えの良い店ってありましtっけ」
「東ぽよぽよ駅の出たすぐそこの、東ぽよぽよスーパーですよ。あそこは靴だけではなくYシャツも安くて良いものが揃っているので、ちょくちょく通ってます」
「あーっ、ありますねースーパー。知ってはいたのですが未だ行ったことないんですよー。今度、僕もいってみようかなー」

まあ、これがリーマンでなくて、女の子なら案内してよーみたいにデートの口実が出来るのだが、まあ仕方がない。
それに少しは沈黙もなくなったことだし。
休憩所も見えてきた。

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ランドセルのカバー

ようやく、目的地についた。
目的地とは、取りあえずは懐かしい場所とでも言っておこう。
緑が豊かで広々として、空が青くとても雰囲気も良い。
とはいえ、山林や森とかではない、普通にビルなどの建物もあるが、とにかく広くて見晴らしが良いのだ。

前をランドセルを背負った、3人組の小学生が横並びに歩いている。
真ん中の子は黄色いカバーがランドセルに被さっていた。
3人とも低学年だからか、ランドセルが大きく見えるところがまた可愛らしい。
真ん中の子は黄色いカバーは交通安全のものである、黄色という色で目立たせているのだろう。
それにしても3人のうち1人というのが何とも。
まあ、1人が目立てば両隣の2人も目立つという算段だろうか。
そんな訳がない、たまたま1人だけランドセルカバーをつけていたのだろう。
ただ3人ともどもに結果があるのなら結果オーライか。

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