リーマンのスピード、ハヤブサの如き

さあ出発である、今日はぷにぷに通りの大自然・・・という程ではないが、都会のなかの自然を味あうぞー。

「ぷにぷに通りは、たまに来るのですけど、皆でわいわいがやがやするも良さげだと思ってるんですよ」
「あら、月乃さん詳しそうですねー、なんでしたらガイドしてみますか?」
「えっ、わたしがですか。うわー、一回やってみたかったんですよー」
「皆さーん、というわけで今回は月乃さんが案内役となりまーす」
「うーん、でもちょっと緊張するー。わたしが、きょどりはじめたら百合さん助けてねー」
「大丈夫ですよ、わたしも出来るだけサポートしますから」
というわけで、今回はチビ女が先頭になった、となりにはタブレットをもった黒づくめがいる。
サポート役にまわるためかチビ女の真後ろには百合さんが、とその時!リーマンがハヤブサの如きのスピードで黒づくめの真後ろに張り付いた。
否、百合さん隣。
やられた、とにかくやられた!としか言葉が思い浮かばない。よく考えればチビ女が百合さんの代わりに案内役をする時点で百合さんの隣になるチャンスがあったはずだ。
リーマンはそれをいち早く察知し獲物を狩りとるハヤブサと化したのだろう。気づくのが一歩遅かった、その一歩の差が百合さんの隣になれるかの差だった。大きい、余りにも大きいこの一歩の差。俺は相変わらずスーツを着ているリーマンの背中をぼーっと眺めていた。
「早いもの勝ちだよ~ん」と背中が語っている。
何てことだと落胆していたら、その様子を不思議そうな顔でギャルが話かけてきた。
「ん、どうかしたの?」
「えっ、いやその今日は月乃さんが案内してくれるんだなーと思って」
「そうねー、月乃ちゃんはよくこの通りに遊びにくるみたいだから、しっかり案内してくれそうじゃない」
「うん、それもそうだね」
ふうー、何とか冷静なふりを出来た。まさかリーマンが百合さんの隣にマッハな速度で張り付いたので地団太踏みたかったですなんて言えないし。

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