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パリパリ駅へ集合

リーマンを除くメンバー全員がパリパリ駅に集合したところで、さっそく出発した。

「真二さんの会社のイベント会場は、ここから30分ほど歩いたところにあるパリパリドームとなります、急ぐ必要もないので、今日はゆっくりと歩いていきましょう、それでは出発します」

パリパリドームではコンサートや今回のような飲食チェーン店のイベントをやっている、ここらでは有名なイベント会場だ。
駅からドームまでは、屋根付き通路で繋がっているので、迷うことはない。

デブが張り切る
「楽しみっすねー、僕はフランス文化というものをしっかり堪能しちゃいますよ」

まあ、こいつの場合は文化というよりは料理だがな。
一同は屋根の下へとまとまってドームへ向かっているが、内心は屋根の下から出て日差しにあたりながら移動をしたかった。

ちょっとぼやいてみた。
「それにしても、たまには何もない的な平地をまったりと歩くのも良いですね」

チビ女もぼやき返す
「ですよねー、今日はあとは食事会ですしー」

他のメンバー達からも気軽な雰囲気が漂ってくる。
パリパリドームへ行く人たちの腹を満たすためか、屋根付き通路の周りにはコンビニエンスストアやら飲食店が豊富にある。
あいにく今日は、飲食店イベントなので流石に空いている。

リーマンのイベント以外にも、ドームには多くのイベントが毎週のようにやっている。
「ねーねー、あれー」
ギャルが指をさしたさきには、女の子のアニメキャラが大きく描かれた紙袋をぶらさげている一同が。
「萌え」という文化だろうか、現実の女性から遠ざかりアニメや漫画といった二次元の世界へと逃避する。
その分、余った現実の女性がこちらの方に来るのである意味歓迎ではあるのだが、最近は女性のオタクも増えて来ている。
こういったオタク系の同人イベントも年々増加の傾向にあるので、興味がないわけでもない。

いよいよ視界に入っている、ドームが巨大になってくる。

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駅前のイルミネーションが増えてきた

各駅の前にはイルミネーションがここぞとばかりに、輝いている。
ボケーッと眺めている人もいれば、ササッと早めに通りすぎる人もいる。
反応はさまざまだが、これだけ一面がピカピカとなっていれば嫌でも意識をせざる得ない。

それはイルミネーションと間もなくクリスマスのイコールで成り立つ方程式を意識させるものでもある。
クリスマスか、今年もやってくるクリスマス。
それが嬉しい人、鬱陶しく感じる人、人それぞれだが、僕はどちらかと言うと鬱陶しく感じる側の人間だ。
ぶっちゃけ困ってしまうほどだ、要らんわこんな日と思ってしまう。
他のメンバーは、どのように過ごすのかが気になる、特に百合さんはどうなんだろうか?
実は僕以外は、全員が一緒に過ごす相手がいるってオチだろうか。

そして、そのクリスマスの前にリーマンの会社のイベントもある、ちょっと探りをいれてみるか。

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リーマンがお花の話に、のってくる。

休憩所に戻ったところで座っている4人に聞いてみる。
「ただいまです。4人でタブレットを見てなんの会議をしてたんすか?」
「直政さんが、さっきのお花畑の花の説明をしてくれてたのよ、あっでも百合ちゃんは、とっくに知っているから、もしかして退屈だったかしら」
「いえいえ、お花は大好きだし話は何度聞いても飽きません。ていうか忘れっぽいので詳しい話は定期的に聞けた方が良いんです」
おっ、こういったチョットおどけた感じの百合さんも良いかも。あまり完璧なお嬢様だと、とっつきにくいし。

とリーマンが珍しく口を開く。
「沢山のお花の説明かー、いいかも知れない、これ」
「えっ、いいって、お仕事に使うのですか」
「はい。今度、会社で開催するイベントでお客さんに小冊を配布するのですが、なかなか女性のお客様が喜びそうなテーマが決まらなくて」
「あら、小冊ですか。たしかにお花の沢山のっている小冊なら女の人は喜ぶかも」

休憩所を発って展望台に向かって歩きだしてもリーマンと百合さんの話を続いている。

いつの間にかに、歩きの行列は、百合さんとリーマン、僕と黒づくめ、チビ女とギャル、デブとオバサンになっていた。
オーマイガッー。なんてことだ、またもや野郎の隣、しかもリーマンの時とおなじく口数の少ないタイプだ。
そして、さっきまで黙りだったリーマンは百合さんとトークを楽しげにしてるではないか。

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遅れてきたギャル、そして自己紹介の前半。

「なんだか電車が止まっちゃって、サーセン」
どうでもいいけど、忙しそうなネーチャンだ。
「いま、もう12時5分となりました」
「まだ残りの1人がきておりません、このまま突っ立っているのもあれなので自己紹介でもしましょう」
百合の仕切により、自己紹介をすることに。
「では、わたしの左から時計まわりでお願いしまーす」

「久子といいます、気晴らしとダイエットのために参加しました。若い人ばかり集まっているようですが、負けずにがんばっちゃおうかな」
どこにでも居そうな普通のオバサンである。
小さいマカロンの絵がいっぱい描かれているバッグが印象的だ。マカロンオバサンである。

「霧人といいます、ふだんはアニメや漫画、ゲームばかりしているので運動不足の解消のため参加しましたあ!」
うるさいなこいつは。
青のチェック柄のシャツに、でかいリュックサック。なかにフィギアでも入っているんじゃないの?
ゲームねえ、同じゲーマーだが
は普通の好青年っぽくみえるのが違いである。
こいつは見たまんま、典型的なオタクである、メガネデブだ。

「真二です!デスクワークも顧客との交渉も両方しますが、仕事関係のことって気が疲れますよね。たまには仕事関係から解放されて楽しくやりたいと思ってきました」
七三分けにスーツ、もうこれぞサラリーマンって感じだが、なぜにスーツ?もしかして仕事のさぼりっすか?まあ見るからにリーマンである。

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あらわれたサークル管理人

12時ちょうどになった。
あらわれた女性はスカートがクラシック風の、まるで外国の新聞をそなまま張りつけたようなデザインだ。

「百合と申します、お待たせいたしました」

話しかた一つにしても何とも上品な雰囲気である。
そして絵に描いたような黒髪ストレートである。

後ろにはタブレットを持った男性が立っている。
「直政と申します」と一礼をする。
この男性も振る舞いが紳士的だが、いざ戦いとなると熟練の戦闘力を発揮しそうな貫禄がある。
黒のワイシャツに黒のスラックス、アクセサリー類は一切つけておらず、シンプルそのものな格好だ。

「みささま、当サークルにようこそおいでくださいました。」
と、そのとき何だかギャルっぽいネーチャンがこっちに向かって走ってきた。

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2013年冬期の参加者の集合

11月3日の朝、いつもより早い7時に起きた。
しっかりと身みりを整えるためだ、第一印象は大切だからな。ぶっちゃけサークル仲間であろう女の子の気をひくためである。
ここはモノトーンの小綺麗な格好をしていこう。
白のYシャツ、黒のスラックス、黒のフリース。
こんな感じでいいか、あとは寝癖を水でなおして、準備完了!
電車にのっている間は、ずっとどんな参加者がくるのかで頭がいっぱいであった。
男は自分だけで女の子に囲まれたハーレムか?それとも、全員が野郎とかか?野郎だけだったら他のサークル探すか~。

そんなこんなで、駅につき、公園につき、噴水前についた。
5分前についたけど、すでに先客がいた。
眼鏡をかけた太った男、ふつうのオバサン、眼鏡をかけた小柄な女、サラリーマン風の男。
自分も含めたら5人となる。

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サークル参加の日程がとどく

さっそく日程のメールが届いた。

件名:
次回のサークル開催日程について

本文:
透也さま
参加表明のほう、ありがとうございます。
次回のサークル開催日程について簡単ではありますが、説明させていただきます。

[日程]
2013年11月3日(日)12時ちょうど。
2013年冬期の参加となります。

[場所]
ぽよぽよ駅東口の目の前にある、ぽよぽよ公園の中央噴水まえ(着いたらメールください)

[内容]
ウォーキングの内容についての説明とレクチャーなど。

それでは、当日にてお待ちしております。

サークル管理人
百合より

こんな、内容であった。
まさしく宛先人以外はコピペでテンプレート通りってやつだ。
いったい何人に送っているのだろう?
送ったうちの、公園にきた人たちの人数が共に行動をする2013年冬期の参加人数ってことか。

なにはともあれ、開催日には参加することにした。

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サークル案内のメールへの返信

ざっとメールをみたが怪しさ百点満点である。
とくに要点の一番さいごの

・半分がゲーム空間となってますが、現実にも反映される部分もあります。

んな訳ねーだろ。
それは最近はやりのジョークかい?っていってやりたい。

とにかく、サークル管理人の百合とやらが、どんな人物かも気になる。
何しろ「現実にも反映される部分もあります」とか平気でかいちゃう人だ。

正直なはなし、返信するか迷いにまよった。
なにかの勧誘かもしれない、でもよく考えてみたらそのような勧誘ってのは巧妙な手口であり、警戒心をとくことに力をそそいでいるはずだ。
「現実にも反映される部分もあります」なんて、いかにも怪しいことなんざ書かないであろう。
ちょっとしたら百合ってのは夢見るメルヘンチックな少女かもしれない。
オバサンかもしれないが。

しかし、たいくつな日常にちょうど飽きていたころだ。
思い切って参加してみるかな、と思い返信をした。

件名:
是非とも参加させてください

本文:
はじめまして。
メールでのご案内について拝見させていただきました。
このようなサークルを待ちわびてました。
是非とも参加させてください。
次回は、いつ、どこで開催するのですか?

透也

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サークル案内のメールが届く

滅多に新着通知のない受信箱にとどいたので、嬉しさのあまり、下にある既読のメールをクリックしてしまったほどだ。

件名:
ありきたりでないウォーキングサークルのご案内

おいおい、そりゃー「ありきたりでないもの」はこちらが書いた希望だが、件名でそれはないだろうとチョット焦ったが、妙に堂々としていたところに感心した。

さて開封。
気になる内容は以下のとおりだ。

本文:
はじめまして。
「ありきたりでない、ウォーキングサークルを知りたい」
の書き込みをみて案内をさせてもらいました。

当サークルは以下の特徴をもちます。

・基本的には「町歩き」となりますが、ただの町歩きではございません。

・難解な問題もあるので推理小説が好きな人は是非チャレンジしてください。

・ゲームに似ているのでゲーマーさんにはもってこい。

・半分がゲーム空間となってますが、現実にも反映される部分もあります。

もし、ご興味をもたれたのならば、ご返信をいただければと思います。
また質問もこのメールの返信にて承っております。

サークル管理人
百合より

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銀のバックの繊維

帰り道での電車のことだ、座っていたら高級そうで綺麗な白の薄手のアウターを羽織った年配の貴婦人がこちらに向かってきた。
車内の揺れは大きく、貴婦人は名前はよく分からないが赤と紫の長い花束を抱えながら、ふらふらとした足取りである。
この赤と紫という組み合わせが、今考えてみれば妙に妖艶である。
ちょうど、隣が空いていたので、そこに座ろうとしたのだろう、その瞬間に電車が大きく揺れバランスを崩す貴婦人。
足と足が、ぶつかった。がしかし、彼女は特に何の反応もしない。2分か3分かしたら、謝ってきた。おそらく後からぶつかってしまった事に気が付いたのだろう。
花束と一緒に持っていた銀のバックが印象的であった。黒なら皮製とか判断が付くが、なにしろ「銀」である。
そのような繊維の糸でもあるのだろうか。こうなっては、バックそのものよりはそれを構成している繊維の方が気になる。
一瞬、「いいバッグ持ってますね、何の繊維で出来ているのですか?」と聞いてみようかと思ったほどだ。(新手のナンパかっつーの)
自然のものではなく、何らかの合成繊維であろう。それにしても科学的なものでも組み合わせ方によっては神秘的に見えるものである。

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