紅葉の木に到着

やっとのことで、紅葉の木に到着した。
「皆さーん、ついに紅葉の木に到着しましたー」
皆の表情に安堵感ででてきているのが、よく分かる。
「鮮やかな紅ですね、都合がつくようならばこのような紅葉の下でも料理イベントを開催したいものです。」
「あら、でもここでは駄目ですよ。」
おお、さっきからリーマンと百合さんの会話の数が多いのが気になる。

ここだけ一本、ポツンとモミジの木があるわけだ。
見ればみるほど赤い、いや紅い。
まわりが、常緑樹だけにその紅さ特有の鮮やかさがきわだつ。
思わずボンヤリと見上げ続けると視界には紅茶のような色合いが広がっている、そのままぼーっとしていると今にもストレートティーの味が口の中に広がってきそうだ。思わず口のなかに唾液が分泌さていくのがわかる。
「あたたかい紅茶が飲みたいなー、もちろんストレートでね!」
思わず本音を口にだしてしまった。一同、どっと笑いあげてる。自分でも笑ってしまった。
「僕の場合は、さっきフランス料理の話が出たから、ステーキを想像しちゃったなー。えっ、焼き加減はレアでお願いしまーす」「もう霧人くんは、食べ物のことで、頭がいっぱいね、でも私も食べたくなってきちゃった。わたしはミディアムレアでお願いしまーす」
デブとオバサンの漫才に、また皆で大笑いをした。

そして、それを遮るかのように声が違う方向から聞こえてくる。
「ねえー、レアでもウェルダンでもどっちでも良いから早く写真撮ろうよー」
まあ、ギャルは早く帰りたいのだろう。

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