春のお花畑を想像

やっと、お花畑である。
周りはお喋りだが、こちらは沈黙が続いたためか、ずいぶんと時間が長く感じる。

思っていたより、広い。
広々と丸く大きな花壇がいくつも並んでいた。
一つ一つの花壇には、名札がある。

チューリップ、ベチュニアライラック、デージー、ナノハナ、マーガレット、カランコエ、ユキヤナギ、パンジー、アヤメ、オキザリス、マリーゴールド、クロッカス

ギャルが見たまんまのことを言う。
「花壇には土しか見えないねー」

チビ女の言ったことに反応するデブ
「春になったら、また来てみたいね」
「月乃さん、グッドアイデアっす、きっと綺麗な一面なんでしょうねー。みささんもそう思うでしょ?」

てか、こっちに振るなよデブ。
「そうですね、その時は僕もデジカメを持ってこようかな、それともスケッチブックの方が良いかなあ」

仕方なしに答えてやったが、デブは、あんたに聞いていないんですけどと言わんばかりに目線を百合さんに向け
「去年はどうだったんすか、リーダー?」
「ええ、もうビックリするくらい色とりどりです。透也さんの言うようにスケッチブックに絵を描くのもいいかと思います。色鉛筆の全部の色がフルで使われるでしょうね。」

オバサンが突っ込みをいれてくる
「あら透也君って絵が描けたの?教えてもらおうかしら。」
「では、来年の春に皆さんに教えましょうか。僕は基本的なことのみ言いますので、あとは皆さんの感性のまま描きまくっちゃってください、8人いれば8通りのお花畑が紙面に咲くわけですから」
実はこの間、絵を描くことに興味をもって入門書を買ったばかりだ。正直なところ実力はまだまだ全然だ。
まあ、来年の春までに入門書を熟読しておけばすむことだ。

と今度はギャルが大胆な発言
「じゃあ、わたしを描かせてあげようか?」
「えっ、美由さんの。どんな絵を希望ですか?」
「水着でポーズをとってみようかな~」
「いやー、それはチョット・・・」
「なによ、わたしじゃ不満だっていうの」

一同から、どっと笑いが。
そして、お花畑を通りすぎ、休憩所へとむかう。

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