「しかし、大きな橋でしたね。」
「ええ、大きな橋でしたね。」
・・・・・・何なんだ、この会話のキャッチボールは。
まあ、掛けた話の内容が、そっけのないものなので、返事もそっけなくなるのは分かるが。
しかし、砂利道はあいかわらず続いているので誤魔化しの音が続いているのが救いだ。
深夜にテレビをつけたが、番組がやってなかったときザーッという砂あらしのような無機質っぷりが良い。
雲が散っていき日差しが強くなった、まあ日差しの話をリーマンにふったところで、会話が続かないが目にみえていたので、あえてなにも言わなかったが。
「日差しが出てきたわねえ~」
「日焼けしちゃいますね」
「あら、この先のお花畑じゃないけど、それこそ季節はずれよ」
「いや~、引きこもりがちな僕からしたら真夏の太陽に等しいっすよ」
後ろは、すっかり漫才コンビ結成って感じだ。
前は天候には興味なし、冬のアウターに関して、あっあれ可愛いねー、というようなファッションの会話で盛り上がっている様子。
そんなこんなで案内が聞こえてきた
「皆さーん、お花畑ですよー。いまの時期は咲いてませんが。春が楽しみですねー」