まあ、別にこのサークルはお喋りサークルではない、ウォーキングサークルなんだウォーキングがメインだからな。
橋に近づくにつれ、地面がだんだん荒くなる。
噴水前は平べったいコンクリート基調なのだが、少しづつ砂利道と化していった。でもこれが、かえってよかった。気まずい沈黙を砂利の音がちょっとだけ誤魔化してくれる。
砂利の石の一つ一つがだんだんと大きくなるにつれて後ろのオバサンとデブは口数が少なくなってきた。
踏み歩いている石に意識が向きはじめたのだろう。
前の女子二人組は相変わらずの音量でキャッキャしている。さらに先頭の運営二人組は声の大きさこそ控えめだが、なにかの会話はしている模様だ。
そして大きな橋が見えた、まるで何かのRPG系のゲームでのワンシーンにありそうな迫力だ。
「皆さーん、ぽよぽよ橋ですよー、このまま下を通り抜けまーす!」
とまあ、先頭から案内の声は聞こえたが、状況としては変わらん。もくもくと歩き続けるだけだ。
ふと横に目をやると子供達がボール遊びで、はしゃいでいる。キャッチボールでボールが手を通りぬけても笑いながらボールを追いかけていく。
実際にキャッチが出来ようが出来まいが彼らには関係無い、ボールというオモチャが何らかの動きをしていれば、それだけで楽しいのだろう。
しかし、橋の下とはいえ長い。
100メートルぐらいだろうか、ただ上に車が通っていて音での沈黙の誤魔化しの効果がさらに上がってるので心地は良い。
いっそのこと、このままずっと続いてくれたら気が楽なのだが。
そうこう考えていたら、あっと言う間にくぐり抜けた。