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リーマンの饒舌ふたたび

今回のウォーキングのポジションは先頭から、チビ女と黒づくめ、百合さんとリーマン、ギャルと僕、デブとオバサンとなった。
口惜しや、よりによってリーマンが百合さんの隣だなんて、でもよく考えてみれば前回のようにリーマンが僕の隣になるのも嫌だしギャルとはいえ若い女が隣なので、まあ最悪のパターンってわけでもなさそうだ。
後ろのデブとオバサンは前回と同じだが、二人とも特に気にしてはない様子。両方ともお調子ものだから誰とでもそれ相応に調子をあわせることが出来るのだろう。

それにしても、ただでさえぷにぷに駅の周辺は人口密度が高いのに加えて休日なので人が多い。
「すごーい人混みだねー」
「いやもう、まるで通勤ラッシュ時の駅の中みたいだよ」
「あはは、週末のクラブもこんな感じだよ」
「あっクラブに行くんだ、すごい」
「えっ、すごいかな」
「まあ、いったことないんで」
この際だ、今日はギャルとの会話でも楽しむか。

先頭の方ではチビ女がタブレットを覗きこみながら、あれこれと説明をしている。おすすめのコースとかを教えているのだろう。
で、肝心の目の前のリーマンはというと何やら普段の仕事の話をしている様子。
「残業が遅くまであるので、くたくた。そしてテレビを見る間もないんです」
「大変ですねー、そんな遅くまでお仕事をして、お体と大丈夫ですか?」
「それよく言われるんですけど、仕事は確かにキツイです、けどそれだけに、やりがいがあるんですよね。そうなると時間が経つのがあっという間で」

おいおい、百合さんが心配してリーマンが働く男ってものを語っちゃって。
なんか良い感じになってしまってるではないか~。

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ぽよぽよ公園池で魚の話

休憩所につくと、大きな池があり、周りには屋根付きのベンチが池を囲むように並んでいた。
「皆さーん、ぽよぽよ公園池でーす。小鳥さんたちも沢山いらっしゃいますねー」

「わーっ、ちょっと池を見てみたーい」
「月乃ちゃん、わたしも行くー」
ぽよぽよ公園池に向かってダッシュするチビ女のあとにギャルがつづく。
「あっ僕もー」
ついでにデブまで。チビ女狙いかギャル狙いか知らんが、視線はいつも女の子の方向である。百合さんにたいしては多少、敬遠しているようにもみえる。
「よっしゃ、僕も!」
女の子は、おまえだけのものじゃないぜ、豚野郎。

「本当だー、ちいさい魚がぴょんぴょん跳ねている」
「かわいいですねー」
チビ女に張り付くデブ。そうはいかんぞと割って入ってみる。
「月乃ちゃん、魚が好きなのかい」
「うん、かわいいのが好きー」
デブが反撃にでる。
「へー、ぼく美味しい寿司屋知っているんだー」
って寿司かよ、おい!このムードから食い物の話へもっていくとは、しかもこれってデートの口実になるじゃん。負けてられん。
「可愛い魚かー、今度スマートフォンで調べてみようかな、可愛いお魚がいっぱい泳いでいる水族館とか」
デブとの間に火花がばちばちとなっている。チビ女はキョトンとしている。ギャルはやれやれといった表情だ。

ふと休憩所に目をやると、あとの4人は4人がけのベンチで、まったり何やら話しているようだ、黒づくめがタブレットで何やら説明をしているが、たぶん休憩所の周りのことを詳しく説明しているのだろう。

ここらで戻るかって空気になったので、僕ら4人は休憩所へと向かっていった。

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