海の風で鍛え上げられた風格の桜が目に入る、そう大島桜(オオシマザクラ)である。
主な分布先は海岸沿いだが、桜の名所にも大抵は見かける。
「そして、これが大島桜(オオシマザクラ)といって、桜餅を包む葉に使用されているものなんだよ」
「えっ、この桜の葉っぱが利用されているんですか」
「うんそうそう、桜餅って好き?」
「はい、大好きです」
その光をよく反射する葉は桜餅を包むのに使われて塩漬けになっているので口にすることも可能、その塩っぽい味は桜餅の甘さでいっぱいになった口の中に良い感じでアクセントをつけてくれる。
葉の香りそのものも桜餅の美味しさもより一層引き出され、この「わびさび」とも言える特有の香りは子供の時から好きであった。