百合さんに積極的なリーマン

展望台に向けて、黙々とあるいていく。
横が黙りの黒づくめだけに、
目の前にいるリーマンと百合さんお会話が嫌でも耳に入ってくる。うしろのチビ女とギャルも一応は会話をしているようだが、とにかく前のリーマンは百合さんの会話が気になった仕方がない。

「ですよねー、それと花言葉を説明文に混ぜておくといいかも」
「まあ素敵ですよね、それ。見てみたいです」
「もちろん。是非ともイベントに招待させてください」

くそっリーマンの野郎、うまいこと百合さんを誘いやがって。だいたい会社のイベントなんて公私混同も良いところじゃねーか。

「えっ本当ですか。そもそもどんなイベントでしたっけ?」
「うちですね、実はフランス料理のチェーンを展開しているのですよ、僕はいま本社勤務で、いろんな企画をしているのです」

なぬっ。フッ、フランスりょうりだとー。
まずい、この男は手強いぞ。イベントの終了後に展開しているチェーン店で味見でもどうですか?なんて言われたら自然にデートの約束にこじつけられてしまうではないか^ー。

「まあ、フランス料理は大好物なんです。とくに余り食べる機会が最近なかったので行ってみたいです。」
「これがそのイベントのパンフレットです。イベント自体は無料でだれでも入場することができます。あとこれ、僕の名詞です」

ふぉーっ、なんてことだ。これでリーマンと百合さんのサークル以外でのつながりが出来てしまったではないかー。
しかもごく普通にだ。今までも何人もの女の子とこうして知り合ってきたんだろうな。

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Filed under ウォーキングサークルの妄想

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