まずは橋に向かって二列で歩きだす。
先頭から順番に百合さんと黒づくめ、チビ女とギャル、リーマンと僕、オバサンとデブ。
淡々と歩いていく二列、なにか話をかけた方が良いのか?
あのー何でスーツなんですか?ともイキナリ聞くわけにもいかんしなー、とりあえず仲良くなっておいた方が特かもはしれんが。
はあ~、出来れば女の子の隣が良かった。
黙っていてもなんなので、とりあえず声をかけてみた。
「さいきん、めっきり寒くなりましたねー」
「ええ、そうですね。」
「スーツ姿だと暖かそうですね、ネクタイ締めているとマフラー代わりに首が暖かそうですし」
「うーん、どうでしょうね僕はこのスタイルになれているので」
結局スーツの話題にいってしまった。
だって、寒いですねの返事がそっけないので、なにを次に言っていいのか一瞬分からなくなってしまったんだもの。
「土日にスーツを着てらっしゃるということは、平日が休みってことですよね?」
「えっ、普通に平日勤務ですよ。土日が休みなんです。ただ私服をあまり持っていなくて休日もスーツを着回しているだけです。」
しかし、この男との会話はツマラン。まあ、悪い人ではないんだろうがツマラン人間であることは確かだ。