時間は、まだ16時だが12月なので、だいぶ日も落ちてきている。
夕方の川は夕日の反射が背景となり、水と光の輝きが印象を強めた。
ところどころにある大きめの岩は座りやすそうでベンチの代わりにもなるようだ。
黒づくめは、この夕日を映している川を一眼レフで何枚か撮ったところで、声をかけてきた。
「もうじき暗くなるので、今日はここで今回の記念撮影をしましょう」
そう言うやいなや、初回と同様に折り畳み式の三脚にカメラをセットしてタイマーを作動させた。
即席ガイドも同じように前列のど真ん中のポジションに素早く移動。
「では、5秒後にシャッターがなります」
すばやく、列の端に加わった黒づくめがタイマーの残りをカウントする。
「5、4、3、2、1」
パシャ!
「1」のちょうど1秒後にシャッターがなったのは、ちょっと関心した。
そして、例によりモニタで画像を確認させてもらう。
オバサンがはしゃぐ。
「すごーい、まるで映画のワンシーみたいね」
夕日を受け、きらめく広幅の川、その前にいる僕たちは逆光となり影のようであるが、それがなかなか抽象的な味を出している。
リーマンも褒める。
「まるで、有名な画家さんが描いた絵のようですね」
僕もチョットだけ褒めてみた
「なんかこれ、カレンダーに出来そうですね。秋の季節の夕日シーンとか。初回の活動の記念活動の紅葉もちょうど秋にぴったりだし」
百合さんものってきた
「では、来月あたりで雪が降ったら冬用のカレンダーが出来そうですね。今年というか来年ですかね、雪が降れば楽しそうです」
デブが思い出話のように語る。
「僕が幼稚園に通っていた、あの時代は結構降ったなー。小学生低学年の時代も降った。けど高学年の時代になってから、めっきり降る機会が減ってきたんだよな~」
即席ガイドが締めと言わんばかりに語る。
「そうですね~、ここ2、3年は降っていませんし。今季の冬は降ると良いですね活動の日に。さて、皆さんこれより奥に進むと本日の目的地の店があります。あと、もう少しなので頑張りましょう」
こうして、僕たちは川をあとにした。