Category Archives: ウォーキングサークルの妄想

何とか靴の会話でつなぎとめる

チョットだけ他の皆さんがたと話が出来たが、基本的にはリーマンが隣なので、沈黙が多くなってしまうというブルー。
そもそも会議やら商談やらでトークは日々鍛えあげられているのではないのだろうか。
それとも、普段は仕事で口を動かしっぱなしなので、休日ぐらいは黙ってウォーキングやその景色を楽しみたいとかだろうか。
いずれにせよ、こちら側だけ沈黙がつづくは、その上だんだんと砂利道が平面のコンクリート道に近くなって余計に誤魔化しが利かなくなってきた。

ジャッジャっという無機質なメロディーの音量がだんだん小さくなっていくにあたって、つまらなさも増してくる。あまりにも退屈なので、また話を掛けてみた。
「結構、歩きますねー。革靴とかでは歩きづらかったりしません?」
「ああ、これパッと見た感じはビジネス用の革靴なんですが、ウォーキングシューズなんです」
「えっ、そうなんですか。なにか素材が違うとかですか?」
「素材は革というよりはスポーツシューズのような繊維ですかね。通気性も良いですす、靴先は幅が広く出来てます、それに靴底には長距離歩行用のクッションも入っているので、けっこう快適ですよ」
「うわー、高機能ですね。高かったんじゃないですか?」
「いえいえ、スーパーで五千円ぐらいで買ったものです」
「スーパー?この辺に靴の品揃えの良い店ってありましtっけ」
「東ぽよぽよ駅の出たすぐそこの、東ぽよぽよスーパーですよ。あそこは靴だけではなくYシャツも安くて良いものが揃っているので、ちょくちょく通ってます」
「あーっ、ありますねースーパー。知ってはいたのですが未だ行ったことないんですよー。今度、僕もいってみようかなー」

まあ、これがリーマンでなくて、女の子なら案内してよーみたいにデートの口実が出来るのだが、まあ仕方がない。
それに少しは沈黙もなくなったことだし。
休憩所も見えてきた。

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春のお花畑を想像

やっと、お花畑である。
周りはお喋りだが、こちらは沈黙が続いたためか、ずいぶんと時間が長く感じる。

思っていたより、広い。
広々と丸く大きな花壇がいくつも並んでいた。
一つ一つの花壇には、名札がある。

チューリップ、ベチュニアライラック、デージー、ナノハナ、マーガレット、カランコエ、ユキヤナギ、パンジー、アヤメ、オキザリス、マリーゴールド、クロッカス

ギャルが見たまんまのことを言う。
「花壇には土しか見えないねー」

チビ女の言ったことに反応するデブ
「春になったら、また来てみたいね」
「月乃さん、グッドアイデアっす、きっと綺麗な一面なんでしょうねー。みささんもそう思うでしょ?」

てか、こっちに振るなよデブ。
「そうですね、その時は僕もデジカメを持ってこようかな、それともスケッチブックの方が良いかなあ」

仕方なしに答えてやったが、デブは、あんたに聞いていないんですけどと言わんばかりに目線を百合さんに向け
「去年はどうだったんすか、リーダー?」
「ええ、もうビックリするくらい色とりどりです。透也さんの言うようにスケッチブックに絵を描くのもいいかと思います。色鉛筆の全部の色がフルで使われるでしょうね。」

オバサンが突っ込みをいれてくる
「あら透也君って絵が描けたの?教えてもらおうかしら。」
「では、来年の春に皆さんに教えましょうか。僕は基本的なことのみ言いますので、あとは皆さんの感性のまま描きまくっちゃってください、8人いれば8通りのお花畑が紙面に咲くわけですから」
実はこの間、絵を描くことに興味をもって入門書を買ったばかりだ。正直なところ実力はまだまだ全然だ。
まあ、来年の春までに入門書を熟読しておけばすむことだ。

と今度はギャルが大胆な発言
「じゃあ、わたしを描かせてあげようか?」
「えっ、美由さんの。どんな絵を希望ですか?」
「水着でポーズをとってみようかな~」
「いやー、それはチョット・・・」
「なによ、わたしじゃ不満だっていうの」

一同から、どっと笑いが。
そして、お花畑を通りすぎ、休憩所へとむかう。

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花の咲いていない、季節はずれの、お花畑

「しかし、大きな橋でしたね。」
「ええ、大きな橋でしたね。」
・・・・・・何なんだ、この会話のキャッチボールは。
まあ、掛けた話の内容が、そっけのないものなので、返事もそっけなくなるのは分かるが。
しかし、砂利道はあいかわらず続いているので誤魔化しの音が続いているのが救いだ。
深夜にテレビをつけたが、番組がやってなかったときザーッという砂あらしのような無機質っぷりが良い。
雲が散っていき日差しが強くなった、まあ日差しの話をリーマンにふったところで、会話が続かないが目にみえていたので、あえてなにも言わなかったが。

「日差しが出てきたわねえ~」
「日焼けしちゃいますね」
「あら、この先のお花畑じゃないけど、それこそ季節はずれよ」
「いや~、引きこもりがちな僕からしたら真夏の太陽に等しいっすよ」
後ろは、すっかり漫才コンビ結成って感じだ。
前は天候には興味なし、冬のアウターに関して、あっあれ可愛いねー、というようなファッションの会話で盛り上がっている様子。

そんなこんなで案内が聞こえてきた
「皆さーん、お花畑ですよー。いまの時期は咲いてませんが。春が楽しみですねー」

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ぽよぽよ橋を通過

まあ、別にこのサークルはお喋りサークルではない、ウォーキングサークルなんだウォーキングがメインだからな。

橋に近づくにつれ、地面がだんだん荒くなる。
噴水前は平べったいコンクリート基調なのだが、少しづつ砂利道と化していった。でもこれが、かえってよかった。気まずい沈黙を砂利の音がちょっとだけ誤魔化してくれる。
砂利の石の一つ一つがだんだんと大きくなるにつれて後ろのオバサンとデブは口数が少なくなってきた。
踏み歩いている石に意識が向きはじめたのだろう。
前の女子二人組は相変わらずの音量でキャッキャしている。さらに先頭の運営二人組は声の大きさこそ控えめだが、なにかの会話はしている模様だ。

そして大きな橋が見えた、まるで何かのRPG系のゲームでのワンシーンにありそうな迫力だ。
「皆さーん、ぽよぽよ橋ですよー、このまま下を通り抜けまーす!」
とまあ、先頭から案内の声は聞こえたが、状況としては変わらん。もくもくと歩き続けるだけだ。
ふと横に目をやると子供達がボール遊びで、はしゃいでいる。キャッチボールでボールが手を通りぬけても笑いながらボールを追いかけていく。
実際にキャッチが出来ようが出来まいが彼らには関係無い、ボールというオモチャが何らかの動きをしていれば、それだけで楽しいのだろう。

しかし、橋の下とはいえ長い。
100メートルぐらいだろうか、ただ上に車が通っていて音での沈黙の誤魔化しの効果がさらに上がってるので心地は良い。
いっそのこと、このままずっと続いてくれたら気が楽なのだが。
そうこう考えていたら、あっと言う間にくぐり抜けた。

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つながらない会話

それに比べて前に歩いているギャルとチビ女は何やら盛り上がっている様子。
女同士ってやつは、打ちとけやすいんだよな。
腹の中ではどう思っていても、女同士は取りあえず見かけだけでも仲良くするのが先決なので。
しっかし何を話しているのだろうか。

後ろのオバサンとデブは?
これもまた、うまいこと会話している。
オバサンは会話がうまいというか、相手にあわせるのがうまいからな。

はあ、普通の男同士の会話というのは何ともやりづらいものか。

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とりあえず、リーマンと話す

まずは橋に向かって二列で歩きだす。
先頭から順番に百合さんと黒づくめ、チビ女とギャル、リーマンと僕、オバサンとデブ。
淡々と歩いていく二列、なにか話をかけた方が良いのか?
あのー何でスーツなんですか?ともイキナリ聞くわけにもいかんしなー、とりあえず仲良くなっておいた方が特かもはしれんが。
はあ~、出来れば女の子の隣が良かった。
黙っていてもなんなので、とりあえず声をかけてみた。
「さいきん、めっきり寒くなりましたねー」
「ええ、そうですね。」
「スーツ姿だと暖かそうですね、ネクタイ締めているとマフラー代わりに首が暖かそうですし」
「うーん、どうでしょうね僕はこのスタイルになれているので」
結局スーツの話題にいってしまった。
だって、寒いですねの返事がそっけないので、なにを次に言っていいのか一瞬分からなくなってしまったんだもの。
「土日にスーツを着てらっしゃるということは、平日が休みってことですよね?」
「えっ、普通に平日勤務ですよ。土日が休みなんです。ただ私服をあまり持っていなくて休日もスーツを着回しているだけです。」

しかし、この男との会話はツマラン。まあ、悪い人ではないんだろうがツマラン人間であることは確かだ。

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やっとのことで、さいしょの一歩

黒づくめが、取りなおして説明をつづける。
「おっしゃる通り、この公園の多くある木は、ほとんど常緑樹ですが、一カ所だけ紅葉でなりたっている木があります。」

がしかし、次はオバサンが割りこんできた。
「あーっ!思いだしたー。その一本の紅葉のことなんだけど、もしかしてあれ?なんか毎年の冬期では初回ウォーキングに紅葉を目指して、確か夏期だと一カ所だけなる向日葵の場所だったったけ。そうそう、何かでそう見たような、美由ちゃんは知っていた?」
オーバーリアクションである。
もしかして、さっきから会話に加わってなかった事の鬱憤がたまっていたとか?

「ふーん、そうなんだー」
さすがギャル、リア充は空気が読めるというか、短いリアクションで切りあげてくれた。

「その通りです、夏期の方々の場合は一カ所だけ向日葵のなっている場所となります。さてルートとしては、この噴水より東へすすむと、ぽよぽよ橋の下を通り抜けることになります、ここは雨が降ると雨やどりの人々で混みますが、今日の天気予報では雨がふることはまずないでしょう。」
「橋を通り抜けて10分ほどまっすぐ行くとお花畑があります、いまの時期は花は咲いてませんが春になると黄色やら紫やらで、色とりどりの風景となりますね」
「そこから、南にいきまた、しばらくするっと休憩所があります。ここのベンチからは、ぽよぽよ公園池が眺められますね、コガモ、ユリカモメやオナガガモ、キジバト、ゴイサギ、ムクドリ、メジロ、ヒガラなど様々な鳥類をみれたり、元気な小魚がぴょんぴょん跳ねてたりもして、休みがとれる上、飽きのこない風景になっているのは有名です」
「そして、池から西に進むと展望台が見えます、ここを上がって展望台の上から紅葉の木を見つけて、そこに進むわけです」

それにしても強面ながら、タブレットを器用に操るそのさまは以外だ。

「それでは、早速出発しましょーう」
百合さんの、爽やかな号令のもと噴水前から旅立つ8人。

僕たちはこうして、さいしょの一歩を踏みだした。

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一本の紅葉の木

「それでは、皆さん!大変ながらくお待たせいたしました。さっそくウォーキングをはじめましょう。直政さん、お願いします。」
「では、この端末の画面にて説明させていただきます。」
「まず、我々はここ、ぽよぽよ公園の中央噴水まえにおります、ここよりグリーンエリアという緑の豊富なエリアに移動をして紅葉のなっている場所をめざし着いたところで2013年冬期の初回ウォーキングの記念撮影をします」

「11月にはいったばかりだというのに、もう紅葉が?」
途中でリーマンが口をはさむとチビ女も便乗してくる
「そうそう、しかもぽよぽよ公園って秋だろうが冬だろうがずっと緑のままの常緑樹ばかりだったような気が」

今度はデブがドヤ顔で説明
「でもよう、電車でくるときに窓から見えたんだけど緑だらけの中に一本だけ紅葉でなりたっていた木があったんだよ、直政さんはその木のことを説明したんだろ」

どうでも良いけど、おまえらまずは説明を全部聞いてからしろよと。
歩きながらでも、いいだろうに。

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結局こなかった、7人目

そんなこんなで、もう13時近くになった。
「おかしいですね、あと1人参加されるはずなのですが、まだ来ませんねえ」
そして、さらに13時まで経った。
その時さっきから、しきりに腕時計を見ていたリーマンが口を開いた。
「そのもう1人の方は、参加表明はなされたのですか?」
「はい、参加表明の返信はされたので。来るはずなのですけど・・・、もうこれ以上待ってもこないと思いますので先に進みましょう」
ふと、オバサンをみると、えらく退屈そうな顔をしている。さっきまでニヤニヤしていたチビ女もだ。

デブとギャルはスマートフォンにむかって何やらメールをうっている様子。

どうなることやら。

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管理人と助手の関係

一瞬、困った表情をする黒づくめ。
「あら、わたしと直政さんは、管理人とそのサーポート役での助手の関係です。それに直政さんはご結婚なさってお子さんもいらっしゃるのですよ」
ホッした。
デブも安堵の表情を浮かべている。
そんな、僕とデブの気分を察してかどうかは知らないがチビ女がニヤニヤしている。

まだ安心はできない。
そう、百合さんに彼氏がいないとも、結婚をしていないとも限らない。
このことは是非とも知りたい。
よしっギャルよ、百合さん自体はどんなんですか~?ってな感じで、さっき見たいに聞くんだ!聞いてくれ!!とテレパシーを念じてみた。
がしかし「なあ~んだ、つまーんなーい」で会話を終了させてしまった。
はあ、テレパシー届かずか。

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