Category Archives: ウォーキングサークルの妄想

ファミレスで初回ウォーキングの打ち上げ。

コピーをとりおえた、百合さんが戻ってきて配る。
「おまたせしましたー、では店に入りましょう」
時間がちょうど5時という微妙な時間だからだろうか、あさり8人分の席がとれた。

メニューをみて5分ぐらいしたところにウェイトレスがきた。
「さて皆さん今日はお疲れさまでした、何を召し上がりますか?、あっ私はクリームパスタで」
「僕はサラミピザとチキンカレー」
「あら、霧人くんウォーキングのダイエット効果ないわよ」
「いや、いつもはこれにモンブランがついてるっすよ。しかも今日はよく歩いたし、ダイエットは急にではなくて徐々にするのがコツです、そういう久子さんこそ何を注文するんですか?」
「そうねえ、わたしはエビグラタンお願いね。」
すかさずチビ女が口をはさむ
「わたし明太子チーズパスタ、美由ちゃんは?」
「んー、グリルハンバーグセットかな」
あとは、男性3人の分だ注文が被ると、なんとなく嫌なので速攻で注文する、とりあえず腹一杯食いたい。
「メキシカンピラフおねがします」
「では、僕はチーズチキンセットで。あとは直政さんで最後かな」
「豚カツセットで」
「エビグラタンと豚カツセットは15分少々お時間をいただきますが、よろしいでしょうか?」
どうせ他の人のメニューも10分ぐらい掛かるんだろうから大差ないだろうと思ってたら、百合さんが答える
「ぜんぜん構いません、今日はみんなでゆっくり召し上がる予定なので」
「おそれいります、それでは少々お待ちくださいませ。」

やがて、出来上がったメニューが次々と運び込まれエビグラタンと豚カツセットもそろった。
「皆さーん、今日は初回ウォーキングお疲れさまでした。最初なので疲れたと思いますが、それになりに楽しめたと思ってます、まずは月乃さんからどうぞー」
「えっと、普段からショッピングとかで歩いていますけど、やっぱり勝手が違うなあと思いました。今日の場合はウォーキングサークルだけあって、歩くのがメインでずっと歩きっぱなしだったんですけど、普段たまっていたモヤモヤしたものが、すっきりした気分です。あと池の小魚さんが可愛いかったです」
そういえば、チビ女はアクティブ派だったな。まあ、ストレスが解消出来たのなら良いんじゃないのかな。
「次は、真二さんお願いします」
「いや本当に楽しかったです、普段は歩くことに関しては仕事で打ち合わせの内容を考えながらだったもので。それに皆さんイベントのことを知ってもらえたのも良かったです。」
おいおい、百合さんにしか話そうとしなかったくせに良く言うぜ。
「美由さんお願いしまーす」
「来るときに電車が止まったときには焦りましたがすぐにまた動いて良かったです。あと久々に歩きまわったってかんじです、やっぱたまには運動もしなきゃ駄目っすねー」
どうでもいいけど、その底上げブーツでよくがんばった。
「お次は透也さん、どうぞ」
「普段がインドアだけに、かなりのストレス解消になりました。やっぱ歩くって健康に良いものですね。」
もっとよく感想というものを考えておけばよかった。
「久子さんお願いまーす」
「ふだんは大勢でウオーキングをする機会なんてあまりないので、楽しかったです。紅葉もとても綺麗で気に入りました。」
たしかにワイワイガヤガヤと歩くのは楽しい、もっとも僕は隣がリーマンでしんどかったが。
「ラストに霧人さんお願いしまーす」
「ゲームざんまいだったので、もう歩くってことが、こんなことだっただなんて忘れていたほどでした。いやー運動って楽しいですね。池の小魚は僕も可愛いとおもいました」
やっぱチビ女のことを意識してやがるなこいつ。それにしてもカレーとピザはもう、たいあげたのか。

食事を終えて、ひと段落つくころには18時をまわっていた。

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ようやく、駅前に到着する。

先頭からも声が
「皆さーん、休憩所に着きましたよー。どうしますー、いったん休憩しますかー?」
「おなじ座るなら、早くファミレスに行ってゆっくりしたいなー」「賛成ー」ギャルのさっさとファミレスに行きたい発言に皆が賛成の意見のようだ。
こちらとしてもリーマンの隣を歩き続けるのは、ちょっとしんどい。
もう夕方近いからだろうか、さきほどまでいたコガモとかも池から少なくなっていた。

そして、噴水前を通りかかったが、止まらず駅前へ一直線である。
「もう少しですよー」
流石は百合さん、自身も疲れているのだろうが周りへの気配りを欠かさない。うんうん、こういう優しい女性がリーダーということは実に恵まれたことだ。
と思っているうちに駅前に到着、ファミレスは目と鼻の先である、その隣はコンビニだ。

「ちょっと待っててくださいねー、真二さんからいただいたイベントのパンフレットのコピーをとってきますからー」と言いおわるとすぐに、コンビニにダッシュしていった。

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記念撮影のあと、さっそくもどる

さて、紅葉の木での記念撮影も無事に終え、噴水へ戻ることに。
その時は帰り道こそは女の子の隣へ!と意気込んでいた。百合さんかチビ女か、まあギャルでも悪くはない、とその時、なんとごく自然に前から百合さんと黒づくめ、ギャルとチビ女、僕とリーマン、デブとオバサンという形に、しかもこれがごく自然と言わんばかりに。
って、おーい!このパターンは行きの道とまったく同じじゃん、同じ人と話をしても仕方ないだろうがー。
と心の叫びもむなしく、暗黙の了解なフォーメーションが定義されてしまったようだ。
しかも、先ほどのイベントの件で皆に広めたのが気に食わなかったのか、リーマンはむすっとしているし。

ぱりぱりと落ち葉を踏む音が微妙なごまかしとなるのがチョットだけ救いかな。いっそうの事、この落ち葉のメロディーを録音して販売したいぐらいだ。あんがい癒し系ミュージックとして流行るかも。

あっという間に展望台をすぎる、あらためて見ると結構高い。まだ夕方ごろだが、ここの展望台の屋上からから夜景をみたらどのような風景であろうか。灯台もと暗しではないが、近場は暗いであろう。公園の電灯が点々としているぐらいだ、遠く周りを見渡せば繁華街のビルの窓から綺麗な光が輝いて見えるだろう、夜の遠い場所からの窓の光なので、落ち着いた光が目に見えるのは大体、予想がつく。
写真に撮ってカレンダーにしたいぐらいだ、それよりその風景を百合さんと楽しめたら、もっといいのだが。

そして休憩所へと進むにつれて足場が落ち葉の道から砂利の道へと変わっていく、じゃりじゃりした音がさらに沈黙のごまかしを増してくれる。

「あー、もうしんどいっす。休憩所で座りたいです。」「いいダイエットだと思えばいいじゃない、だいたい休憩所で座っていたら、あなたの好きなご飯の時間がその分遅くなっちゃうわよ。」
2人とも声がでかいので、いやでも後ろから話し声が聞こえてくる。まあ、いい気晴らしになるので、ちょうど良いっていえばちょうど良いんだけどね。

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紅葉の木のもとで、記念撮影。

黒づくめが折り畳み式の三脚をバックから取り出し、手慣れた手つきで一眼レフを取り付ける。
あの、大きなバックには何が入っているんだろうなと気にはなっていたのだが、そういうことか。
そしてカメラの設定をなにやら確認しながら声をかけてきた
「タイマーを設定するので皆さん紅葉をバックに適当に集まって並んでください。」

チビ女は、当然でしょと言わんばかりに前列のど真ん中に素早く移動。
たまたま僕が前列の位置にいたので、チビ女が右側にいる形だ。チビ女のさらに右側にギャルが続く。残りの5人は後列で、僕とギャルは後ろが見えなくなるので中腰となる。タイマーはあと5秒だ、5秒でポーズを考えなければまらない。チビ女はピース、ギャルは手をパーの形で頭のほうに、後列は知らん。どうしよう、どんな風にしよう、タイマーがくる!
パシャリとシャッター音が紅葉の中に響く。
とっさに笑顔とグーに親指を立てる、いわゆるグッジョブの形となっていた。まあとっさの判断としては上出来だったであろう。

すばはくカメラを撮りにいった黒づくめが戻ってきてカメラのモニタで今しがた撮れたものを見せてくれる。
一同、わっとなる。あまりにも背景の紅葉が綺麗だったからだ。
自然の紅というものは、こうも美しいものなのだろうか、ずっとこの写真を見続けていたいほどだ。
「すっごい綺麗、これって普通に目でみた景色より綺麗なんだけど」
オバサンが関心している。
「ああ、これは光の焦点を背景も含め全体的に吸収する設定にしたのですよ、ちなみに今回の逆が背景の前にいる人間に焦点をあわせて背景のぼかす方法、よく人を撮るときにそうします。」黒づくめは大分カメラに詳しいようだ、もしかしてカメラマン仕事のしているかもしれない。

と思ったそのとき、デブが口を開く「直政さんって、カメラマンの方ですか?」「いえ、カメラは趣味程度です。仕事のほうははIT系の仕事をしています」
ほう、IT系とは以外だ、もっともアイティーと一口にいっても色々あるが、あまり詳しいいことまは話そうとはしない、しかも謙虚な物の言い方だ、もともと寡黙な男ってのもあるけど。

どうりでタブレットの扱いにも慣れているわけだ。

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紅葉の木に到着

やっとのことで、紅葉の木に到着した。
「皆さーん、ついに紅葉の木に到着しましたー」
皆の表情に安堵感ででてきているのが、よく分かる。
「鮮やかな紅ですね、都合がつくようならばこのような紅葉の下でも料理イベントを開催したいものです。」
「あら、でもここでは駄目ですよ。」
おお、さっきからリーマンと百合さんの会話の数が多いのが気になる。

ここだけ一本、ポツンとモミジの木があるわけだ。
見ればみるほど赤い、いや紅い。
まわりが、常緑樹だけにその紅さ特有の鮮やかさがきわだつ。
思わずボンヤリと見上げ続けると視界には紅茶のような色合いが広がっている、そのままぼーっとしていると今にもストレートティーの味が口の中に広がってきそうだ。思わず口のなかに唾液が分泌さていくのがわかる。
「あたたかい紅茶が飲みたいなー、もちろんストレートでね!」
思わず本音を口にだしてしまった。一同、どっと笑いあげてる。自分でも笑ってしまった。
「僕の場合は、さっきフランス料理の話が出たから、ステーキを想像しちゃったなー。えっ、焼き加減はレアでお願いしまーす」「もう霧人くんは、食べ物のことで、頭がいっぱいね、でも私も食べたくなってきちゃった。わたしはミディアムレアでお願いしまーす」
デブとオバサンの漫才に、また皆で大笑いをした。

そして、それを遮るかのように声が違う方向から聞こえてくる。
「ねえー、レアでもウェルダンでもどっちでも良いから早く写真撮ろうよー」
まあ、ギャルは早く帰りたいのだろう。

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紅葉の木までの道のり

一同、まっすぐと展望台から確認した紅葉の木へと向かっている。これ以上ないぐらい紅葉の木に向かって一直線だ。皆の気持ちはお互いに分かっている、今まで歩いてきてだいぶ体力を消耗しているので、さっさと着きたいのである。
紅葉の木に近づくにつれて、生えている木の割合が増えてくる。ここぞチャンスとばかりに百合さんが口を開く。
「皆さーん、周りを見てください、豊かな緑ですねー。緑には気持ちを癒す力があるそうですよ。森林浴っていいますよねー」
皆の疲れた気分を察してか元気づけようとしてくれている。ギャルもそれにのる。
「じゃあ今はウォーキングと森林浴を兼ねているって訳だ。一石二鳥じゃーん」
そこへチビ女が、するどい突っ込みをはなつ。
「森林浴って、座ったり寝ころんだりして、まったりした状態でするもんじゃないのー?」
「あら、歩きながらでも、森林浴のうちに入るのでなくて?」
すかさずオバサンがフォローする。
別にどっちでも良いが、女子達の口数が増えているような気が。腹が減っている気を紛らわすためだろうか。

さらに進むにつれ葉っぱやら樹木やらが、どんどんと視界に増えている。と同時に道の険しさもます。

そのときデブが本音をはなった。
「腹へったー」
「そうですね、帰りに駅前のファミレスよりでもましょうか、コンビニでのパンフレットのコピーもありますし。」
このあと、皆で食事かそれも悪くはない。
落ち葉を踏む音が、ぱりぱりと鳴っていく。聞きごこちのよい音だ。自然の恵みのメロディーといったところだろうか。

もう紅葉の木も近いであろう。

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調子にのるリーマンを牽制

そうこう思っているうちに展望台に到着した。
「皆さーん、展望台に着きましたー。ちょうどエレベーターも下についているので、このまま乗っちゃいましょう」
全員で一斉にエレベーターにのりこむ。ちょうど8人がピッタリとおさまった。

それはそれで良いのだが、心境は穏やかではない。
まずい、まずいぞー。俺もなにか自然に誘えちゃうネタがあれば良いが今のところそんなネタなんてない。

あっと言う間に屋上に到着した。
皆がおりたところで、チャンスとばかりに大声を出した。
「おーい、みんなー、真二さんってスゲーぜ。フランス料理チェーン店の本社で働いていて、今度イベントやるんだってよ!ねえ、百合さん」
「はい、パンフレットもいただきましたのよ。今から楽しみです」

リーマンの表情が気づきにくい程度に曇っていくのが分かった。

「まじっすか、フランス料理っすよねー、フランス料理!」
ナイス反応、デブ!
「霧人さんは、沢山食べそうなイメージですよね、それともフランス料理は苦手かな~」
「いや、いや、いや、だいだい大好物っすよー」

オバサンが目を輝かせていう。
「霧人くんは何でもよく食べそうだものねー、みんなで行きましょうよ。真二さん、あと6人分のパンフレットってあるの?」
「いやー、すみません。あいにく今日は百合さんに渡した1枚しかないのですよ、仕事ででる場合は20枚ぐらい常備しているのですが」
「でも、さっき入場料は、ただって仰ってましたよね、ならパンフレットは案内の参考のためコピーすれば済むことですよ、帰りに駅前のコンビニでコピーしましょう。」
すごいぞ、なんだかリーマンを追いつめているし自分たちのイベント参加の口実を作れたし。しかもだ!もしかしたらリーマンの会社の女の子たちとも知りあえるかもしれな
いではないか。

勝利を確信した、そのころに百合さんが仕切りなおすようにいう。
「ではパンフレットは帰りにでもコピーしましょう。屋上についたことですし、さっそく紅葉の木を見つけましょう」

それぞれの方向に8人で一斉に散らばり紅葉の木を探してみる。

「あったー、こっちこっち、あれじゃないのー?」
発見したギャルが、嬉しそうにはしゃいでいた。

「あー、あれです、あれ。ではあの紅葉の木に向かいましょう」
たんたんと案内を進める百合さん。

屋上からの見晴らしの良い景色を見回しながらエレベーターに向かう一同。
8人ともさっとテンポ良くエレベーターに乗り込み、1階へと到着。

そして目的の紅葉の木の方向に向かって行った。

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百合さんに積極的なリーマン

展望台に向けて、黙々とあるいていく。
横が黙りの黒づくめだけに、
目の前にいるリーマンと百合さんお会話が嫌でも耳に入ってくる。うしろのチビ女とギャルも一応は会話をしているようだが、とにかく前のリーマンは百合さんの会話が気になった仕方がない。

「ですよねー、それと花言葉を説明文に混ぜておくといいかも」
「まあ素敵ですよね、それ。見てみたいです」
「もちろん。是非ともイベントに招待させてください」

くそっリーマンの野郎、うまいこと百合さんを誘いやがって。だいたい会社のイベントなんて公私混同も良いところじゃねーか。

「えっ本当ですか。そもそもどんなイベントでしたっけ?」
「うちですね、実はフランス料理のチェーンを展開しているのですよ、僕はいま本社勤務で、いろんな企画をしているのです」

なぬっ。フッ、フランスりょうりだとー。
まずい、この男は手強いぞ。イベントの終了後に展開しているチェーン店で味見でもどうですか?なんて言われたら自然にデートの約束にこじつけられてしまうではないか^ー。

「まあ、フランス料理は大好物なんです。とくに余り食べる機会が最近なかったので行ってみたいです。」
「これがそのイベントのパンフレットです。イベント自体は無料でだれでも入場することができます。あとこれ、僕の名詞です」

ふぉーっ、なんてことだ。これでリーマンと百合さんのサークル以外でのつながりが出来てしまったではないかー。
しかもごく普通にだ。今までも何人もの女の子とこうして知り合ってきたんだろうな。

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リーマンがお花の話に、のってくる。

休憩所に戻ったところで座っている4人に聞いてみる。
「ただいまです。4人でタブレットを見てなんの会議をしてたんすか?」
「直政さんが、さっきのお花畑の花の説明をしてくれてたのよ、あっでも百合ちゃんは、とっくに知っているから、もしかして退屈だったかしら」
「いえいえ、お花は大好きだし話は何度聞いても飽きません。ていうか忘れっぽいので詳しい話は定期的に聞けた方が良いんです」
おっ、こういったチョットおどけた感じの百合さんも良いかも。あまり完璧なお嬢様だと、とっつきにくいし。

とリーマンが珍しく口を開く。
「沢山のお花の説明かー、いいかも知れない、これ」
「えっ、いいって、お仕事に使うのですか」
「はい。今度、会社で開催するイベントでお客さんに小冊を配布するのですが、なかなか女性のお客様が喜びそうなテーマが決まらなくて」
「あら、小冊ですか。たしかにお花の沢山のっている小冊なら女の人は喜ぶかも」

休憩所を発って展望台に向かって歩きだしてもリーマンと百合さんの話を続いている。

いつの間にかに、歩きの行列は、百合さんとリーマン、僕と黒づくめ、チビ女とギャル、デブとオバサンになっていた。
オーマイガッー。なんてことだ、またもや野郎の隣、しかもリーマンの時とおなじく口数の少ないタイプだ。
そして、さっきまで黙りだったリーマンは百合さんとトークを楽しげにしてるではないか。

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ぽよぽよ公園池で魚の話

休憩所につくと、大きな池があり、周りには屋根付きのベンチが池を囲むように並んでいた。
「皆さーん、ぽよぽよ公園池でーす。小鳥さんたちも沢山いらっしゃいますねー」

「わーっ、ちょっと池を見てみたーい」
「月乃ちゃん、わたしも行くー」
ぽよぽよ公園池に向かってダッシュするチビ女のあとにギャルがつづく。
「あっ僕もー」
ついでにデブまで。チビ女狙いかギャル狙いか知らんが、視線はいつも女の子の方向である。百合さんにたいしては多少、敬遠しているようにもみえる。
「よっしゃ、僕も!」
女の子は、おまえだけのものじゃないぜ、豚野郎。

「本当だー、ちいさい魚がぴょんぴょん跳ねている」
「かわいいですねー」
チビ女に張り付くデブ。そうはいかんぞと割って入ってみる。
「月乃ちゃん、魚が好きなのかい」
「うん、かわいいのが好きー」
デブが反撃にでる。
「へー、ぼく美味しい寿司屋知っているんだー」
って寿司かよ、おい!このムードから食い物の話へもっていくとは、しかもこれってデートの口実になるじゃん。負けてられん。
「可愛い魚かー、今度スマートフォンで調べてみようかな、可愛いお魚がいっぱい泳いでいる水族館とか」
デブとの間に火花がばちばちとなっている。チビ女はキョトンとしている。ギャルはやれやれといった表情だ。

ふと休憩所に目をやると、あとの4人は4人がけのベンチで、まったり何やら話しているようだ、黒づくめがタブレットで何やら説明をしているが、たぶん休憩所の周りのことを詳しく説明しているのだろう。

ここらで戻るかって空気になったので、僕ら4人は休憩所へと向かっていった。

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