バゲットのコーナーの隣には、キッシュのコーナーがある。
キッシュとは、簡単にいえば色んな具がのったパイ料理である。
手始めにベーコンチーズを口に放り込む、オーソドックスながら普通に旨い。
「からひぃ~」
チビ女はキャベツカレー風をの中に入れてモゴモゴしていた。
その他にはグラタン風などもあるが、ほかの料理も豊富にあるので、キッシュは一周りして未だお腹がすいていたら食べることにした。
それにしても、会場は広いのに人がいっぱいだ、リーマンも未だ見当たらない。
ふらふらと自然に、甘い香りのする方向へと足が動いていった先には、タルトコーナがあった。
同じパイ系でもキッシュと比べて、甘いスイーツ味のパイである。
スイーツ味ってのは女性が多く集まっているのも良い。
多くの量が置かれていたのがリンゴのタルト、言うまでもなく日本でもっとも知名度の高いパイの一つだ。
「ありがちなので相当おいしくなければ・・・おっ美味しい」
甘みが糖類ではなく純粋な林檎そのもの甘みのみなのだ。はっきり言わせてもらうと、簡単そうだが実に高度なことだ。
逆になってしまうようだが、みずみずしい採れたて林檎のパイ風味である。
その他にはオレンジ、ブルーベリー、スイートポテトとあるが、これらも結構食べたことのあるものばかり。
隣のデブとオバサンはこれらも満遍なく味わっている。
その中でコーヒー風味タルトが目についた。
「まあ、タルトはこれでもう良いっか」
一切れ口の中に放り込む、コーヒーというよりはクリーミーなカフェである、クリームの柔らかい心地上に絶妙な量のコーヒー豆が溶けている味わいである。
アンケートにはコンビニに売って欲しいとでも書こうか、家でパソコンに向かっているときに一口食べたくなる代物だ。