横に長い絵看板がある。
とにかく長くずーっと続いているのかと思えるほどだ。
「ちょうど絵が並んでますので、見ながらゆっくり歩きましょう」
即席ガイドも案内になれた様子である。
江戸時代の浮世絵を思わせる筆づかいで松、竹、梅や桜や杉といった樹木、黄揚羽や紋白蝶にテントウ虫やカブト虫といった昆虫、燕や雀や鷹といった鳥類、あとは富士山などなど自然を連想させる浮世絵がずらりと並んで続いている。
「うわー綺麗な書き方だねー」
ギャルがまじまじと眺めながら関心している様子だ。
「たしかに、この環境かでこんな絵をおかれると見とれちゃうよな、特に鷹が格好良いや」
「わたし、この竹が好きー」
「竹とは、また渋いねー。てっきり桜か黄揚羽というと思ったよ」
「でもこの竹の存在感が気にいったんだもん」
葉っぱのパラソルから少し洩れる日差しを受けている浮世絵風の絵看板は幻想的すら覚えるほどだ。
8人全員が、絵看板とまじまじと見ながら進んでいった。